_DSC0126
_DSC0009
DSC_0066
_DSC0044
_DSC0065
image0012
_DSC0065
091128012

Photos » Tags

2cv  たまねぎ  イタリアンパセリ  インゲン豆  エリンジウムフルエラ  エンドウ豆  オレガノ  カボチャ  カモミール  ガレット  クロワッサン  グラタン  コンフリー  ゴーヤー  ササゲ  シシトウ  シソ  ジャガイモ  スイスチャード  スズラン  ズッキーニ  タルトタタン  ダイヤーズカモミール  トウモロコシ  トマト  ノブドウ  ハーブガーデン  フェンネル  フランスのバッグ  フランスの皿  フランスパン  ブリオッシュ  プイィフュイッセ  ヘンプアグリモニー  ベビーリーフ  ベルガモット  ボジョレーヌーヴォー  ミミズ  ミモザ  ヤロウ  ラベンダー  リースリング  ルッコラ  ルバーブ  レモン  レモングラス  ヴァンドペイ  三浦市  上川町  上田市  下諏訪  下部温泉  中央区  中山道  中野区  九十九里町  二十日大根  伊東市  八ヶ岳  八ヶ岳薬用植物園  八王子市  函館市  勝沼  北杜市  千代田区  南アルプス市  収穫  台が原  右京区  和紙  唐津くんち  唐津市  夏みかん  安藤忠雄  富士見高原  小樽市  尾山台  山中湖  山梨  山梨市  幕の内弁当  新芽  明治神宮  札幌市  東浅草      桜えび  横浜    武田神社  汐留  池上本門寺  浅川  清里  湯のみ  牛嶋神社  由比  甲州街道  甲斐大泉  甲斐小泉    白駒池  神保町  神楽坂  種まき  線路  美瑛町  美里町  芽吹き  落花生  藤沢市  西新宿  観音崎  赤飯  農作物  農業  野川公園  野辺山電波望遠鏡  釜めし  鉄道  鎌倉市  長野  関本関所跡  雑司が谷   



桜舞う季節

3月 14th, 2008

桜舞う季節、
君は何を思うのだろう

桜舞う季節、
僕は何を思うのだろう

桜舞う季節、
君は何を咲かせるのだろう

桜舞う季節、
僕は何を待つのだろう

桜舞う季節、
君は何を楽しむのだろう

桜舞う季節、
僕は何を歌うのだろう

桜舞う季節、
君は何を悲しむのだろう

桜舞う季節、
僕はどこへ行くのだろう

桜舞う季節、
桜は何を思うのだろう

夏至

6月 14th, 2007

それは突然に押しかけてきた。時刻は午前3時。カラスだってまだ寝ている時間だ。私はドアを開けてボサボサとした彼女を中に入れた。
「ドライヤーがないのよ。」
彼女は怒鳴った。私は冷蔵庫の中身をひととおり見回して、ジャスミンティのペットボトルを取り出した。最近は季節を問わずジャスミンティばかりなのだ。
「はやくしてよ、もうたいへんなんだから。」
そう言うと自分の髪の毛をクシャクシャと引っ張って、私の脛を蹴った。
「ドライヤーなんてないよ。こんな頭で、何も乾かすものなんてない。」
私はジャスミンティを飲み干し、そして沖縄の風景を思った。沖縄の空、沖縄の海。まだ日の出前の沖縄。でも、そのどれもが間に合わせのイメージ写真のようにありきたりだった。私は実際、沖縄には行ったこともないのだ。
「ならいいよ。なんか代わりになるもんないの。」
「代わりになるものねぇ。」
「布団乾燥機とかさぁ。」
「布団は太陽で干すのがいちばんだぜ。そのためにこの部屋を借りたんだから。」
2発目の脛蹴りをかわして、私はあたりを見回した。
「食洗ならどう?食器洗浄機。頭突っ込んでさぁ。」
彼女はしばらく食洗を見つめ、そして何かをかみしめて、寂しげに私を見て、静かに部屋を出て行った。

私は軽くため息をついた。いつもこうなのだ。外はまだ薄暗く、電灯がポツポツと点いている。遠ざかっていくボサボサ頭に何か言おうとしたが、言葉は浮かばなかった。まもなく夏至のギラギラとした太陽がビルの隙間から顔をのぞかせれば、まるで何もなかったかのように1日が始まるのだろう。

でもこの夏至の朝のことはいつまでも忘れないのかもしれないけど。

ロシアンセージ

1月 10th, 2007

私は気を失ったように高速道路を旭川へと向かっていた。アクセルを踏んでいる感覚すら無くなってしまいそうで、空はどこまでも薄く、道はどこまでも地平線に吸い込まれていた。道路の右手は原生林に覆われ、左手は広大な畑が果てしなく続いている。

「大丈夫か?」
私は自問してみたが、何が大丈夫なのかもよくわからなかった。とにかく疲れているようなので、寂れたパーキングに停車し、車を降りた。

「ほかほかパン 1個100円」
風に踏まれた張り紙が地面に転がり、売れ残ったパンは料金箱と寂しげに並んでいる。私はポケットから100円玉をひとつ箱に入れると、その冷え切ったほかほかパンを手に取った。ジャガイモのようにゴツゴツした感じのパンで、袋を破ってかぶりつくと芯まで冷え切っていた。

駐車場には誰もいなかった。休憩所のドアは固く閉ざされていて、コンクリートの剥げた花壇にはロシアンセージだけが薄白く咲いていた。

「大丈夫か?」
もう一度自問してみた。今度は少しだけ手応えがあったような気がした。

私はまた誰もいない高速道路に合流し旭川へと走り始めた。右手には相変わらず原生林が続き、左手には広大な畑が果てしなく続いていた。

UWBを採用する高速版Bluetooth

12月 25th, 2006

MB-OFDM方式のUWBを採用する高速版Bluetoothの仕様作成が進んでいます。UWBとは電波を広い帯域に拡散させて送信することによって低出力で高速通信が可能になる方法です。通信速度は100Mbps、通信距離は10m程度が予想されてますので、PCと携帯機器の間で、そして携帯機器同士でさらなる利用が促進されるのではないでしょうか。

例えばBluetooth対応の携帯音楽プレーヤーにPCからワンクリックで音楽を転送できたり、容量の大きなビジネス文書をワンクリックでPDAに転送できたりします。また、情報家電との接続にも利用されるようになれば、一般家庭内のデジタル機器の構成が、PCやLANを中心としたものから、Bluetooth対応の携帯端末を中心としたものに変化するかもしれません。

Bluetoothで電波を飛ばせる距離は短く、無線LANなどの代用には難しいかもしれません。しかし、USBケーブルで接続したり、LANの設定をしたりというような煩わしさが解消され、ワンクリックで高速に情報をやりとりできるというBluetoothは、さらに情報機器を身近なものにしてくれるのでしょう。

言問団子

12月 17th, 2006

言問いを 越えて団子を 買いにいく
「今日はいい天気でしたね。」
「うん。」
「だんだん暮れてきました。」
「いい色。」
「いい色ですね。向こう岸のほうは夜に入ってきました。」
「影が長ぁい。」
「たしかに長いです。影だけが向こう岸に届きそうです。」
「ね。」

言問いの 団子は三色 甘い味
「6個入りを1つください。」
「へえ、最中もあるんだ。」
「ええ、結構おいしいですよ。」
「ふうん。鳩みたいなかたちしてる。」
「これはミヤコドリって言うんです。」

言問いの 墨田の水は 夜の色
「すっかり暮れてしまいました。」
「うん。」
「何色がいいですか。」
「団子?」
「そうです。私は黒をいただきます。」
「じゃあ、あとぜんぶ食べる。」
私は久しぶりに笑った。

言問いの 白いランプに 月ひとつ

12月 7th, 2006

彼は何軒かのバーを経営していて、雨をことのほか愛しているのだった。夕方から降り始めた雨がアスファルトの窪みに虚ろな色を描く頃、彼の店が今日もその扉を開ける。

「なんで雨の日しか店を開かないんだい?」私はリカールを飲みながら尋ねてみる。いつものことだ。
「晴れや曇りに何の意味がある?」
「雨には意味があるのか?」
「そうとも。もちろんだ。」
そして私は雨の意味について考える。これもいつものことだ。

彼の優れている点は、彼の経営する他の店たちは晴れや曇りの日のみ営業をしているということだ。晴れや曇りの日に雨を楽しみたければそれらの店に行けばいいし、雨の日はもちろん彼のこのメインの店で雨に酔いしれればいい。

「雨は既に意味を失っているかもしれないぜ。」私は挑発してみた。
「なぜ?」
「もう君の店には雨がいっぱいじゃないか。新しい雨はどこに降るんだい?」
「いい質問だ。しかし、答えはちゃんとある。ここに降った雨は店の若いのを使って他の店たちに分けているんだ。他の店たちには雨が降らないんでね。」
「なるほどね。」

彼はピアノの前に座りRainy Night in Georgiaを弾き始めた。そして私は合羽を着込んで店を出た。こんな素敵な夜なのに、あいにく今日は雨なのだ。

キャベツ

12月 4th, 2006

洗足池に面したベンチで葛餅を食べているときに、ふとキャベツ畑を見に行きたくなった。夏から秋にかけてスーパーで見かけるキャベツは群馬産が多い。冬は神奈川産だ。そんなキャベツたちがはるか地平線まで並んでいる姿は、想像するだけで楽しい。

足元では鳩が私の顔を時々見上げながら餌を探している振りをしている。私は食べかけの葛餅を横に置いて、スマートフォンでキャベツの産地を調べてみた。夏の勢いを失った温かい陽の光が私とスマートフォンをゆっくりと照らしていて、眩しく反射した水面ではオヤジが一人、ボートを漕いでいた。

10分くらいで調べ終わると、私はその結果をファイルに保存して、ガールフレンドに電話をしてみた。彼女は洗足池からそう遠くないところに住んでいるのだ。
「今何してるの?」
「別に。何も。」
「キャベツ畑を見に行かないか?」
「?」
「キャベツ畑を、見に、行かない、ですか?」

電話を終えると葛餅の残りに取りかかった。池の上ではボートに乗った無表情なオヤジが一人。グルグルと池の端に沿って漕いでいる。さっきから漕いでいるのでもう何周もやっているのだろう。何かのトレーニングなのかもしれないが、顔が恐ろしく無表情なのだ。私は残りの黄粉を鳩に与えると、スマートフォンで音楽リストを作成することにした。キャベツ畑に似合う音楽というのは案外難しいものなのだ。

747-400

11月 28th, 2006

私はシートにしっかりと体を委ね、窓から見える凍てついたシベリアの大地をぼんやりと眺めていた。真っ白な平野。川。山。それらはあまりにゆっくりと移ろい、747-400のくぐもったエンジン音だけが静かに現実と結びついていた。

「お飲み物はいかがいたしましょうか。」
「氷とジンだけで。」

私はシンプルなグラスに注がれたジンを一気に飲み干すと、シートをフルリクライニングにして目を閉じた。走馬灯のように記憶の断片が駆け巡り、そして静かに消えた。

夢の中では小さなバーのカウンターにひとり座っていた。バーテンは姿勢を正して他のお客のためのカクテルを作っている。客は私の他に一人だけ。窓に向かった席で頬づえをついて外を眺めている。ガラスの向こうでは黒い集団がビルの上にあるミノルタの電飾看板に薄黒く照らされながら、右へ二人、左へ三人。細い路地へ一人。そしてマンホールの中へ一人。電飾看板は青くなったり白くなったり。数秒ごとに黒く消え、そして黒い集団も消え、そしてまた現れる。

カクテルはテーブルに置かれ、ひとくち口をつける。私はジンをもう一杯注いでもらって、遠くシベリアの大地にゆっくりと移動していた。

フラッシュバック

11月 24th, 2006

昔見た風景がフラッシュバックのように蘇ることがある。それは、音楽を聴いていたり、窓から見える景色を眺めていたり、洋服を夏ものから冬ものに換えていたりする、そんな瞬間に。そして残像は連続するコマから切り離され、前後の連続を失わされて、突然現われて、そしてプツリと消える。

白銀町の坂を登りつめたところにその小さな喫茶店はある。今日の夜はこのあたりのお祭りということで、どの路地もそわそわしている。珈琲の世界と綿菓子の世界がブラインドで区切られ、すぐ外ではたこ焼きの兄ちゃんが鉄パイプを組み立てて発電機をワゴン車の荷台から取り出している。

古い歌謡曲。歌はビートを失い、色を失って、メロディーだけが思い出とともに保存される。メロディーという符号で記憶に問い合わせると思い出が呼び出される仕組みだ。メロディーが思い出せないときは、ただ待つしかないのだ。

「そこの会館にこれを持っていかなければならないんですよ。」
皿いっぱいのおにぎりを見せて私に言う。
「ああ、そうですか。それなら、いいですよ。」
「では、お店の番をお願いします。」
ということで私はその喫茶店に独り、綿菓子の世界から隔離されて思い出に浸る。

メロディーにサムネイルのように映像が付いていることがある。なんでもない場所のなんでもない風景。その風景はメロディーに関係なく、思い出にも関係ない。ただの意味の無い風景。でもどこかで見た風景。

「待った?」
「いや、」
「けっこう時間がかかっちゃって。」
「コーヒー飲む?」
「だめ。30分は飲んだりしちゃダメだって。」
「それはよかった。」
「?」
「お店の人がいまはいないんだ。おにぎりを持っていくとかで。」

メロディーは止まり、次のメロディーがかかる。何でもない、どうでもない、そんな風景とともに。

カラス

11月 21st, 2006

私がその小さな駅にたどり着いたのは午後四時をまわっていた。錆びついた線路は車止めすらなくプツリと切れ、ここまで私を乗せてきた木造の古い電車は既に息絶えていた。私は誰もいない改札を出て待合室になっている部屋でベンチに座った。10分くらい座っていると少しずつ自分がこの町に馴染んでいくのを感じた。

私はバッグの中にそれが入っていることを確かめ、帰りの電車まで2時間あることを確認し、町に出てみた。駅前の商店はすべて枯れ果てていて五軒ほどの宿と寺と神社がある、そんな町だった。雲は低く垂れ込めていて、町を囲む山々はその行き場の無い灰色の空に虚ろに覆われていた。

「雨が降りそうだ。」

私はつぶやいてみた。相変わらず人の気配は無く、道の両側の家々にも活気というものがまるで感じられなかった。

「傘を持ってくればよかった。」
私は独り言に拍車をかけた。そうせずにはいられないのだ。

十分ほど歩いて小さな寺にたどり着いた。私は山門をくぐり、そしてそれをバッグから取り出し、すっかり葉を落としてしまった桜の樹の下にそっと置いた。

どこかの樹でカラスが鳴き声を上げ、カアカアと遠くへ去っていった。